筆談の落とし穴 vol.100~「手錶」=「腕時計」

「山本さんの付けている腕時計カッコイイな。どこのブランドだろ。『你帯着的手錶很好看』っと書き書き」

山本「好看、ってのは確かキレイとか見た目がよいって意味だったよな。手の表面がキレイって、もしやよい手相だってことなのか?」

山本「そうか、王くんは手相に詳しいヤツだったのか。オレは〝大器晩成〟ってよく言われるんだけど、一体いつ成功できるのか見てくれよ」

「え、手を大きく広げて見せてくる…もしかして「5」? まさかその時計、5万元もするハイブランドなんですか!?」

説明しよう!

 「手錶」とは「腕時計」を表す中国語である。「錶」という漢字自体に「(携帯用の小さな)時計」という意味があり、「手に付ける時計」で「腕時計」を意味するようになった。なお、日本語では「時計=とけい」としか言わないが、中国語では置き時計(座鐘)、懐中時計(懷錶)など、用途ごとに異なる語が存在する。
 今回の筆談で、王くんは山本さんが付けている腕時計を褒めただけなのだが、山本さんはそれを「手がきれい」「よい手相をしている」と解釈してしまい、ついうれしくなってしまったようだ。さらに勢いづいて、自分の手相をじっくり見てほしいとまで言い出す始末。
 山本さん! 王くんに手相を見せたところで、彼には手相占いの知識なんて一切ないから、下手に広げすぎると余計に誤解が広がってしまうぞ! それより時計のように地道にコツコツ刻む人生も、案外悪くないかもしれないぞ

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