筆談の落とし穴 vol.93~「挨拶」=「拷問を受ける」?

山本「お、王くん今日は遅刻か。なんだなんだ、挨拶もしないでどかっと自分の席に座りやがって…注意したろ『你要挨拶』っと書き書き」

「ああ山本さん、すみません今朝は腹を壊しちゃって…えっ、挨拶? 拶子の刑を受けろってことですか!? ひえ~」

「寝坊で遅れたわけじゃなし、ちゃんと事前に連絡も入れたのに…見せしめってやつなのか。冗談だとしてもちょっとひどいよ」

山本「おや~? 遅刻して挨拶なしのうえに、ふてくされた顔なんかしやがって。これだから今どきの若いやつは…よし、始末書書かせるぞ!」

説明しよう!

 中国ではその昔指を木片で挟む拷問器具「拶子」があり、自白を強要する時に用いていた。罪人の腕を頭の上に挙げさせ、指をこれで挟んで両側の縄を引くと「拶子」が徐々に締まり、手指の皮が裂けたり骨が折れたりしたのだという。また「挨」には「受ける、耐え忍ぶ」といった意味がある。
 今回の会話中、山本さんは王くんから遅刻したことを侘びる一言がほしかったのだが、王くんは山本さんが遅刻した罰を与えるつもりだと誤解したようだ。王くん! 山本さんはちょっとした礼儀や気配りを求めていただけで、いくらなんでも遅刻したくらいで指を折ろうなんて考えちゃいない。そんなのは口に出しただけでもパワハラ確定だ。しかし始末書を書かせようとしてくるだろうから、よーく話し合って理解を深めるのがいいぞ!

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