筆談の落とし穴 vol.127~「看過」=「見たことがある、読んだことがある」~

 王「今話題の映画、台湾でもすごく話題になってるんですよ。『你看過一戦再戦了嗎?』っと書き書き」

山本「お、それは俺もわかるぞ。アカデミー賞を獲った映画だろ? なんだ、それをそれを大目に見ろって?

山本「おいおい、王くん。まさかアカデミー賞を獲るほどじゃないって言いたいのか? やれやれ、評論家にでもなったつもりか」
王「山本さん、訝しげに僕のこと見てるけど、何だろ? さては、感動して泣いたから恥ずかしくて言えないんだな~(笑)」

説明しよう!

 「看過(kan4guo4)」は「動詞+過」の形で「その動作をしたことがある」という経験を表す中国語の表現である。「看+過」で「見たことがある」「読んだことがある」となる。一方、日本語の「看過」は「見過ごす、見逃す」ことを意味し、中国語とは正反対に近い意味を持つ。

 今回王くんは、今話題の映画『一戦再戦(邦題:ワン・バトル・アフター・アナザー)』を見たかを聞きたかっただけだが、山本さんは「看過」を日本語の意味で受け取り「大目に見て」と言われたと勘違いした。しかも山本さんの返事は日本語なので、王くんにはその中身が伝わらず、訝しげな表情だけを見て見当違いな理由を想像されることに。

 王くん! カンヌ・ヴェネツィア・ベルリンと三冠の監督による、それもアカデミー6部門受賞の傑作を批判する評論家かぶれだと思われてしまったぞ、ちゃんと話して誤解を解くんだ!

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