筆談の落とし穴 vol.94~「薪水」=「給料」

「もうこの会社に勤めて長くなってきたし、そろそろ昇給してほしいな。思い切って相談してみよう。『請提高薪水』っと書き書き」

山本「薪と水がなんだって? それを提げて高く…ってなんのこっちゃ。ライターならあるが、薪なんか持っとらんぞ。」

山本「まてよ、薪を提げるってのはBBQかなんかか? そういえばもうすぐ中秋節だもんな、よっしゃアウトドアだ~」

「なんだかすごいノリノリだけど、もしかして僕が言い出すの待ってたのかな? 今度の給料日が楽しみだ~」

説明しよう!

「薪水xin1shui3」は中国語で「給与」のことである! 井戸水や薪でおこす火で日々を暮らしていた魏晋南北朝時代には、生活必需品を指す言葉だった。しかし近代、賃金制度が普及し、貨幣が生活に欠かせなくなった頃から「薪水」が「給与」を指す言葉に変化したのだとか。なお「薪水」は主に口語で用いられ、書き言葉としては「薪資xin1zi1」が使われる。

 会話中、王くんは率直に給料アップを訴えたのだが、山本さんはアウトドアに誘われていると勘違いしたようだ。王くん!山本さんは、キミが昇給を求めているなんてこれっぽっちも気づいていないぞ!次の給料日にガッカリしないよう、もっと食い下がって誤解を解かないと。それからBBQの準備もしておかないと、当日になって「誘っておいて何もないのか」と怒られ、昇給どころか給与ダウンもされかねないぞ!

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