筆談の落とし穴 vol.51~「生意」とはこれ如何に?

王   「あ~あ、この頃全然契約が取れないや…がんばってるつもりなんだけどなあ。ビジネスって難しいや。『生意真難!』っと書き書き」

山本「〝生きる意味が真に難しい〟…なんだなんだ、王くんたら急に哲学的な。そういえばちょっと暗い顔してるし、まさか自殺でも考えてるんじゃ!? なんとかしてやらんと…」

王 「あれれ、山本さん考え込んじゃったな。てっきり愚痴言ってないで働けってビシッとやられると思ったのに。まさか営業の特訓プランでも練ってるんじゃ…」

山本「なんとか、王くんの元気を取り戻さないと。ここはいっちょキレイなお姉さんのいる店に連れてってやるか。まったくオレも部下に甘いな~」

説明しよう!

 「生意」は中国語では「商売、取引、ビジネス」という意味である! 日本語にも「生意(せいい)」という言葉があるが、これは「生き生きした様子、生気」といった意味になる。中国語でも同様の意味もあるが、その場合は読みが異なり「sheng1yi」ではなく「sheng1yi4」となる。

 会話中、最近なかなか契約が取れない王くんは、山本さんにちょっと愚痴りたかっただけなのだが、山本さんは王くんが生きる意味について深刻に悩んでいると勘違いした。

 王くん!心配しなくても山本さんが練っているのは営業の特訓なんかじゃなく、楽しいお店に行くプランだ。だからといって山本さんは誤解しているから、それがバレたら雷が落ちるかもしれない。そして山本さん、自分が行きたいだけのくせに、部下を口実にするとは上司として褒められたものじゃないぞ!

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