筆談の落とし穴 vol.57~「手抜き」は何を抜く?

「山本さん、さっきから考え事しながら無意識にヒゲを抜いてるな。肌が荒れるからやめた方がいいよ。『不要手抜』っと書き書き」

山本「なになに? 〝手抜きは不要〟だと!? オレが一生懸命新しい企画書を書いてるのに、手抜きだと? 上司に向かって失礼な…じゃあお前が書け!」

 

「あれれ、山本さんが怒っちゃったみたいだぞ。余計なおせっかいだったかなあ。新企画も全然思い浮かばないし…もうどうにでもなれ! 」

山本「オレにあんな事言うくらいだから、自分はさぞかし立派な企画書を作ってくるんだろうな。これで出来が悪かったりしたら…フフフフ…」

 

説明しよう!

 「手抜」は中国語で「手で(何かを)抜く」という意味である! 日本語の〝しなければならない手続きや手数を省くこと〟といった意味はなく、まさに文字通りの意味なのだ。ちなみに、日本語には〝不注意のための手落ち〟を意味する〝手抜かり〟もあるが、これは中国語の場合「漏洞」という。
 王くんは、山本さんが書類に集中するあまり、無意識に手でヒゲを抜いているのを見て、肌荒れを心配し声をかけた。しかし一方の山本さんは、自分がヒゲを抜いていたことはおろか、それを王くんに見られていたことにも気づかず。自分の仕事が手抜きだなどと言われたと勘違いしたのだからさあ大変。
 山本さん! 王くんはたしかにうっかりしたヤツだが、上司にそんな失礼なことを言うタイプじゃない。それよりちゃんと指導してやらないと、ヤケになって出社拒否してしまうぞ。それからエチケットとして、ヒゲを手で抜くクセは改めよう!

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