蔡英文総統は8月27日(土)、デジタル経済の発展や情報セキュリティの強化を担う「デジタル(数位)発展部」の発足を発表。政務委員を務めるオードリー・タン(唐鳳)氏が主任部長に就任した。
タン氏は蔡政権下においてデジタル政策を推進。コロナ禍ではマスクの配給システムを構築し、一躍注目を集めた。タン氏は同部門の役割について「全市民のためのデジタル強靱性」と強調。社会のデジタル化に伴う情報流出やサイバー攻撃、偽情報といったリスクからの保護を重視する。台湾ではサイバー攻撃やフェイクニュースが増加、同省は安全保障面でも大きな役割を担う。
初年度人員は598。タン氏は官僚文化から脱却し、うち約半数を学歴ではなく能力のみでプロフェッショナルとなる人材を選出した。同部はデジタル産業署と情報セキュリティ署を設置し、デジタル経済の発展と国家情報セキュリティの強化を担う。
蔡総統は2020年の就任式で、デジタル発展を専門とする部門の成立を提言。「台湾の経済発展を維持するため、デジタル転換の推進が重要」と説明した。
設立の経緯としては、昨年末「デジタル発展部組織法」が可決され、国家通信伝播委員会(NCC)、経済部、国家発展委員会、交通部、行政院情報セキュリティ處から各業務を部分的に引き継ぐことが決議された。
(8月30日)