台中市南屯区の観光スポット「彩虹眷村」で7月30日(土)、名物となっている壁画が同エリアの管理業者らによって塗り潰されるという出来事があった。警察は関係者ら14人を現行犯逮捕し、取り調べを行った。
「彩虹眷村」は居住者の黄永阜氏(98)の手によるカラフルな壁画が注目を集め、国内外からの観光客が訪れる人気スポット。2013年より文化事業を手掛ける「彩虹文創公司」が管理・運営を行っていたが、同社代表の魏丕仁氏は台中市から補修工事のための立ち退きを要請され「原状復帰のため」として壁画の一部を塗り潰したと主張している。
黄氏は自身の作品が損壊されたことを受け「ライフワークが魏丕仁に台無しにされた」と悲しみのコメントを発表。同社と黄氏の間では近年、グッズ販売による著作権や収益などを巡り揉めていたとの証言もある。
これに対し魏氏が翌31日(日)発表した声明によると、台中市は7月25日(月)、8月に同エリアの補修工事を行うため、7月31日(日)までの立ち退きを要請。わずか7日間での撤去要請に魏氏は再三猶予を求めてきたが功を奏せず、さらに将来的に同エリアの管理・運営権を返還してもらえない可能性があるとして抗議の意を表したという。
なお今回塗り潰したのは同社員らによる壁画のみで、黄氏の作品は損壊していないと説明。壁画の9割は同社従業員らが黄氏の作品をもとに手掛けたもので、黄氏の作品はすべて完全な形で保存されていると話している。
(8月1日)
圖/台視新聞