ほっと落ち着ける場所
オークラホテルの真裏、表通りの喧騒から離れたところに居酒屋「和匠」はある。一歩足を踏み入れると「いらっしゃい!」の声。スタッフの顔が活気に溢れ、ひと目で「いい店だ」とわかる。
同店のラオバンは横浜出身の日本人。20数年前、横浜で編み出した「てっぽう焼」を引っ提げ台湾にやって来た。当初は庶民に愛される食堂を開いたが、日本人がほっと落ち着ける飲み屋を作ろう、と思い立ち同店をオープンさせたのはおよそ1年前のことだ。
1人客も行きつけに
「てっぽう焼」とは、串焼きの具材を1つずつ豚肉で巻いたもののこと。その季節の一番おいしい時に仕入れた野菜やフルーツを、いちいち豚肉で巻いて串に刺し、炙り焼きにする。肉の油で野菜はまろやかに、果物は香ばしく焼き上げられ、これが1本60元というのだから驚きだ。カウンター席に座れば、目の前に並んだ串に目移りしつつ「あれも、これも」と、ビールも串もついどんどんお代わりしたくなる。
今の時季のオススメは「マコモ茸」に「三星ネギ」。とろとろに焼けた「ピーマンとチーズ」に、火を入れ甘さが増した「うずらとトマト」も捨てがたい。ラオバンが持ち込んだ「てっぽう焼」が台湾の野菜と出会い、初めて生まれる味わいだ。
ほかにも焼き魚や主食、揚げものにサラダ、なんでもござれ。夜は日本のナイター中継も流し、1人客は串をつまみながらグラスを傾ける。今月いっぱいサービスの「生ビール」とてっぽう焼さえあれば、特別なものは何もいらない。賑やかな林森エリアからほんの少し離れただけで、これほど日本人が落ち着ける店がある。
Info
住所 中山区中山北路二段27巷1號
TEL 02-2531-6825
営業時間 17時半~翌2時(日曜は~22時半)
席数 25席
予算 800元~