15年前の殺人事件の再審 死刑囚に逆転判決下る

 

台湾高等法院台中分院は10月26日(木)、殺人の容疑で死刑判決が下され、勾留中の鄭性澤被告に対し一審判決を覆す無罪を言い渡した。

被告は2002年、台中縣豊原市のKTVにて男性6人と女性1人を相手に揉め、駆けつけた警察官を拳銃で撃ち殺した容疑に問われていた。事件は控訴と再審をめぐり高等裁判所と最高裁の間を行ったりきたりしていたが、2006年5月に死刑が確定、被告は15年に渡り拘留されていた。しかしながら昨年、死刑執行が目前に迫る中、供述が警察によって無理やり引き出されたなどの疑問点が浮上、人権団体などの働きかけにより再審が行われることになり、この度一転して無罪が言い渡された。検察、弁護双方とも控訴は行わないという。

判決当日、同法院14号法廷の傍聴席は満席、判決を待つ被告の応援者らで溢れかえった。裁判長が「無罪」の二字を告げると、応援者らは歓声を抑えきれず、握手をして喜びをわかちあっていたという。鄭性澤は直筆にて「この日を15年間待ち続けていた」とのコメントを発表。

(11月1日)

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