日本のNHKは3月4日(月)、フェイクニュースの実害に関する特集番組を放送。昨年9月の台風21号で被害を受けた関西国際空港にいた台湾人学生によるデマを受け前駐大阪辦事處處長・蘇啓誠氏が自殺した件などを取り上げ、台湾でも注目を集め民放各社が報道した。
学生が流布した内容は、駐大阪中国大使館が用意したバスで中国人旅行者が優先的に空港を脱出しているというもので、SNSに投稿するとたちまち広まり、駐大阪辦事處には対応の遅さなどに対する抗議のメールや電話が相次いだ。さらには台湾のメディアもこれを取り上げ、蘇氏は虚偽であることを訴えたが誰も聞く耳を持たなかったという。
氏の遺族はNHKの取材に対し「1人の外交官の犠牲をもって、ネットユーザーやメディア、政府や組織、それぞれが考えてくれることを切に願う。もう二度と、罪のない人が犠牲にならないように」と語った。台湾のネットユーザーらは「メディアが忘れようとも私たちは忘れてはいけない」、「メディアリテラシーを持たなくては」などのコメントを投稿している。
(3月5日)