台湾のノイズミュージックシーンはここから生まれる
日本のミュージシャン・友川カズキと親交の深いオーナー・王啟光(ワン・チーグァン)さんによる中古レコード店。 友川の同名の楽曲タイトルを店名に、2011年オープンした。 看板はなく、黒いレコードを掛けた鉄扉が目印。 整理整頓とは対極にあり、そのカオスな空間に入るのを一瞬躊躇するも、言語を越えた王さんのコミュニケーションは居心地のよさしかない。 いつしか日本の音楽好きも必ず訪れるスポットの1つになっていた。 台湾ビールを片手に王さんとの音楽談議に花を咲かせる人、地下のスペースでバンドの練習に耽る人。 メジャーとインディーズの垣根がない台湾で、王さんは知り合ったバンドを集めライブイベントをオーガナイズする。 その多くはノイズ系で、絶対的なファンを持つバンドもいくつか。台湾アヴァンギャルド・ミュージックシーンの聖地ともいえる場所だ。
収蔵レコードはあらゆるジャンルを揃えその数1万枚超
王さんの定位置、時にはバイトのバンドマンが座っていることも
多様な機材を備えた地下の練習スペース
友川のサインの上だろうと所構わずライブのポスターが貼られている
先行一車 黑膠倉庫 (せんこういっしゃ レコーズ) 住:台北市大安区師大路102巷8號 電:02-2362-5205 営:15時~21時(月・火曜休み) U:bit.ly/2Z7foOp
集まり、企て、カウンターカルチャーを発信する
学生街ということもあって、昼間はそこそこオシャレなカフェの様相。 しかし閉店時刻が近づくと、どこからともなく個性のトガッた奴らが集まってきて、夜な夜な酒を酌み交わす。 だから午前の営業を諦め、午後から店を開ける。発端は2008年、当時の政権が敷いた過剰な警備体制への抗議行動「野苺運動」に参加した面々が、その後も集まれる場を、ということで前身の「直走珈琲」を作った。 スタッフ、というよりも運営メンバーはそれぞれアナーキーなパンクバンドのメンバーだったり、 社会派独立誌の記者だったり、映像アーティストだったり。 店内でも映画の上映やトークイベント、いずれにせよ儲からないことを一生懸命やり、 競争・消費社会の波に乗らずフリンジストリームから世の中を面白くしようとしている。ちなみにみんな金はない。 ここには東京の高円寺を拠点に〝世の中を面白くする〟集団「素人の乱」を率いる松本哉氏を通じて、 これまた元気な日本人たちもやって来る。 最近では香港の条例改正案反対運動に共鳴し、みんなで香港へ応援に駆け付け、帰国後はTシャツを刷って売って支援。 要は活きのいい人が集まり、企て、行動に移すアジト的な場所だ。
その辺で拾ってきたソファで作ったテラス席。これでも運営やイベントの企画会議をしているところ
香港支援Tシャツのプリント作業中
その日集まったみんなでお金を出し合って材料を買い、食事を作って食べる
半路珈琲 Halfway Cafe (バンルーカーフェイ) 住:台北市大安区羅斯福路三段269巷51弄9號 電:02-2362-5573 営:14時~24時(火曜休み) U:halfway-cafe.blogspot.com
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