福州菜は台北に在り
「福州料理」をご存知の方は、かなりの中華通かもしれない。中国八大料理の「福建料理」に分類され、地の利を生かした海鮮素材、紅麹や福建老酒で作る発酵調味料「紅糟」を用いることも特徴だ。
1949年創業、台北でも稀少な福州料理レストラン「新利菜館」では、今も伝統的な調理法を守り続けている。
「文化大革命の後、本格的な福州料理を作れるシェフが減ったと言って、中国からうちに料理を学びに来る人もいます」と、マネージャーの凃宝村さん。
食通セレブもお忍びで
同店オーナーのこだわりは「素材の質の高さと安全性」。市場で素材の見極めを担うのは〝ミスター・ベースボール〟と呼ばれる台湾野球界のレジェンド、李居明さんだ。引退後に食材の仕入れに興味を持ち、転身したのだそう。
写真のオススメメニュー「龍躉石斑」(時価)は〝ハタの王様〟と呼ばれ、天然と同じ環境で養殖したもの。コラーゲンたっぷりの白身に同店秘伝のスープが浸み込んで、魚料理の贅沢さを堪能できる。福州料理の名物「灴糟鶏湯」(小360元、中460元、大660元)は、紅麹を使った発酵調味料「紅糟」を大樽で2カ月をかけ醸造したものがベース。じっくり発酵させた紅麹のまろやかな酸味と甘みが鶏肉と冬粉に絡まり、滋養や美肌にもよいとされている。
今回はジャピオン読者に、クワイの歯ごたえと爽やかな甘みが食後の〝口福〟を運ぶデザート「梅梨糕」(通常100元)と、消化を助ける阿里山産「酸梅湯」(通常50元)をサービス。
台湾の政財界の食通セレブもお忍びで通う「新利菜館」。大切なゲストの会食にも喜ばれること間違いなしだ。
Info
住所
中山区龍江路85号
TEL
02-2771-2088
営業時間
11時~14時、17時~21時
席数
112席、個室4
予算
400元~