台湾の「理律法律事務所」の法務担当者・劉偉杰が20年前にクライアント名義の株式を売却した資金を着服し逃亡した件で、同事務所は引き出し権限のない劉の送金等手続きをしたとして國泰世華銀行を相手取り9億9000万元の賠償を求めていた訴訟で、最高法院はこの度同事務所の上告を退け、國泰世華銀行の免責が確定した。
@自由時報
劉偉杰は2003年、クライアントの株式12万7000株を売却した総額30億9086万元余りを為替取引やダイヤモンドの購入などの手段を使い資金洗浄し、また共犯者の協力を得て海外へ逃亡。同事務所はこの件でクライアントに9億9000万元を賠償。劉偉杰が口座開設、引き出し、送金などの権限を有していないにもかかわらず同銀行がその手続きを行ったのは注意義務を怠ったとして、同銀行に損害賠償を求めた。
しかし銀行側は委任状に基づき処理し、過失はないと反論。一審、二審とも賠償請求は退けられ、敗訴が確定した。
なお劉の行方はいまだ不明、17年に不起訴が確定している。
(12月20日)