台湾東部の花蓮縣にある発電所「和平電廠」の送電用鉄塔が、7月29日(土)に同縣から上陸した台風9号「ネサット」の影響で倒壊。これにより電力90万キロワットが供給不能となった。
ネサットは風速50m/秒を超える16級台風。鉄塔が倒壊した直後の電力供給量は130万キロワット減少、今年初の「電力制限赤色警報」が発令された。鉄塔修復にはおよそ2週間を要する見込み。
環境保護団体「綠色公民聯盟」は8月2日(水)、現在の発電システムの脆弱性が明らかになったとして、行政に分散式発電システムの構築を検討するよう要請。台湾電力はこの状況に関し、全国民が今年最大の困難な局面にあると表明。行政院は各地方の公的機関に対し、1日で気温が最も高くなる13時〜15時は空調を切るよう通達した。台湾電力もオフィスビルや商業施設の空調システム、冷風機、家庭用エアコンの使用が集中するとして、通常の冷風を送風に切り替えるなど電力消費を抑えるよう呼びかけている。そのほかの時間帯は通常よりも温度を1度高く設定すれば、即時6〜9%の節電になるという。
(8月2日)