花蓮縣秀林郷の清水トンネルで4月2日(金)に発生した列車の脱線事故を受け、台鐵職員らによる組合「台湾鉄道産業工会」の王傑・理事長は7日(水)、台湾政府が推し進める台鐵の民営会社化について、現時点で台鐵が抱える問題の75%は政府が手掛けるべきとの見方を示した。
王理事長によると、政府は2018年に発生した「普悠瑪号」事故以降、長期的な負債や待遇の改善、組織文化の改善など台鐵が抱える課題に対し、改革と称して職員の給与を1~2万元カット。職員の待遇はさらに悪化し、民営化すればさらに利益を追求することで人員整理やコスト削減を強いると指摘。また政府が日本など国外の鉄道民営化を例示しているが、日本では民営化後の2005年に107人の死者を出した福知山線事故が発生していることに言及し民営化による弊害に目を向けるべきとした。
一方、台鐵内部では、現時点での改革推進は事故の責任転嫁とする声もある。
(4月7日)