日本への一時帰国が決まった時から「ムスメと2人きりの台湾隔離生活」には不安しかなかった。4歳、かわいい盛りだがかまって盛りでもあり、1人遊びはほとんどせず、付きっきりになる。いつも週末の2日だけで燃え尽きてるのに、14日間みっちりだなんて、オゥ…。そこで、入念な準備を始めた。
①おもちゃ14個(百均で1日1個購入)②ハサミ、のり、折り紙など(ダンボールやお菓子の箱で人形の家やベッド制作)③カラフルな入浴剤。ドリンク容器に入れて色遊び。湯舟で2時間も遊べば夜はグッタリ(イイネ×100)④アップルTV持参(パソコンから動画を飛ばし「し○じろう」など大画面で見せる)。
ほかには、毎朝の弁当に付いてくる乳酸菌飲料のボトルを並べてボウリング。弁当のセロテープを活用し、冷蔵庫を作れというムスメの難題にも対応した。
直前でオットの同室が許可されたのもあり、3人での監獄生活はさほど苦痛でもなく、意外と楽しく過ごせたと思う。ムスメが寝た後、ネトフリをみながら一杯やり、天使の差し入れをつまむ生活も悪くなかった。消費ビールはたぶん50本くらい。
隔離10日目、自費でPCR検査を受ける。前日にタクシー代と3人分の掛號(受付)代、1000元ほどを現金で用意するよう言われる。当日は厳重警備のもとタクシーに乗り込み、5分ほどの総合病院に到着。屋外に設置されたプレハブで鼻をいじられ、30分後には再び収監。なぜか掛號代は徴収されなかった。特に連絡がなければ陰性とのこと。
当初は、隔離が明ける15日目の夜0時になったら交代でシャバにでてコンビニでも行こう、なんて計画していたけれど、防疫ホテルは一度出たら入れない仕様らしい。そのままおとなしく朝を迎え無事出所となった。
そして同時に+7日の「自主管理期間」が始まる。学校や仕事には行けるが会食はNG、人手の多いところや公共交通機関の利用を避けるように、と基準のぼやけた設定だ。
ともあれムスメは保育園を、飲食店勤務のオットは出勤をさらに+14日見送ることに。私は出勤するも1人会議室で昼食をとり、常に同僚と社交距離をとるよう気を付けた。そして7日後、予め渡されていた簡易キットで最終検査をし、やっと安心。
今回の帰国にかかった費用は約25万元。労力もお金も相当に費やし帰った日本では、自分が感染させる側、またはさせられる側になるかもと想像以上に神経をすり減らし、泣きたくなったことも。それでも、ずっと気にかかっていた100歳の祖母に会い、2歳から4歳へ2倍に成長したムスメを両親に見せることができた。
コロナさんも進化が止まらないが、ワタシたちの人生も続いている。収束を待たず思い切って帰ってよかった、と心から思う。