台湾大学構内で11月5日(月)9時50分頃、有毒ガスの漏出により44人が中毒症状を訴え医療機関へ収容されるという事件があった。
ガス漏れがあったのは電機科二館4階の東側にある実験室で、当時学生らが半導体の製造工程に関する研究を行っていた。同時に同実験室では、メーカーによる老朽化したパイプの保守点検・分解作業が行われており、パイプに残留していたヒ素と水素の化合物「アルシン」が漏出したものとみられる。
被害者44人は教師2人、メーカースタッフ3人と学生らで、いずれも頭痛やめまい、吐き気を訴えたものの救急通報せず自ら医療機関を訪れ受診し、うち4人が入院して経過を観察した。ニュースを見て事件を知った救急は現場へ駆けつけ、環境保護署らの協力の下現場を封鎖、処理に当たった。
アルシンは赤血球中のヘモグロビンを凝固させる作用があり、高濃度の蒸気を吸入すると死に至る場合もあるという。
(11月6日)