協力: 東区優男 PEN SHU GEN
身体を内部から調えるスパイス
古代から香辛料、薬草として用いられてきたフェンネル。原産はヨーロッパだが現在はアジア、オーストラリア、アメリカ大陸に分布し、日本には平安時代に中国から持ち込まれた。
生の茎葉は「魚のスパイス」と呼ばれ、西洋料理で魚料理の消臭や、サラダの彩り、ハーブティやハーブビネガーに使用。一方アジアで主に食用、または薬用にするのは果実で、インドやパキスタンでカレーのスパイス、菓子類の香りづけに。中華料理では有名な「五香粉」に含まれ、醤油ベースのあらゆる料理に用いられる。台湾ではフェンネルを餡に練り込んだ「茴香水餃」や卵と一緒に焼く「茴香煎蛋」がよく知られる。客家料理では「鹹湯圓」も有名。
欧米ではモデルやボディビルダーが仕事前のダイエットに用いるとか。食欲を健康的に増進させる一方で、過度な食欲を抑える効果が見込まれるらしい。
東洋医学では胃の熱を取り、腸の膨張を押さえ胃もたれを防ぐと言われる。また女性ホルモンバランスを整え、分娩時の疼痛を和らげたり、授乳期の母乳分泌を助けたり、月経周期の改善にも役立てられる。
なお抗ヒスタミン系の薬剤と相性がよくないため、注意のこと。